【卓球・Tリーグ】吉村真晴が東京五輪出場へ「琉球アスティーダ」を新天地に選択

Tリーグ取材記事
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文・写真 マンティー・チダ&卓球DEUCE編集部

今期から卓球Tリーグ「琉球アスティーダ(以下 琉球)」に所属する吉村真晴が、都内の高級料理店で入団会見に臨んだ。

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【写真1】琉球・早川社長よりユニフォームを渡される吉村真晴

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Tリーグセカンドシーズンは「琉球アスティーダ」から参戦

「早川さん(早川周作社長)が太陽のような方で、自分がこのチームに加わると若干まぶしすぎて、みんなチカチカしないか不安な部分もあります」と、吉村真晴はチーム名「アスティーダ」になぞって、記者会見冒頭からスピーチを始めた。

吉村真晴は、昨季T,T彩たまのキャプテンでエースとして戦ったが、決して順調なシーズンではなかった。シングルスとダブルスで勝ちを計算された存在だったものの、シングルス4勝7敗、ダブルス1勝2敗と結果を思うように残せず、平野友樹の躍進もあって出場機会を失う時期もあった。そして、吉村真晴は、セカンドシーズンを戦うために大きな決断をすることになる。

「チームの一員として全力で勝利に貢献できるようにしたい。沖縄を盛り上げたい」

琉球に入団することを決意した吉村真晴だが、どうしても成し遂げないといけないことがある。それは「東京オリンピックの代表を掴むこと」だと。

「今シーズンはオリンピック選考レースという事で、8月末にTリーグ開幕から12月までが勝負になる。自分にとっても人生で最大の目標、そして夢である東京オリンピックの代表を掴むために、琉球アスティーダ、早川さんが全力サポートを約束してくれた。心強く感じたので一緒に戦わせてくださいと入団を決断した」と吉村真晴は、琉球入りまでの経緯をこのように話す。

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【写真2】ユニフォームを手にする吉村真晴

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東京オリンピックの卓球日本代表選考とは?

吉村真晴が話す「東京オリンピックの卓球日本代表選考基準」は以下の通り。


1.シングルス代表候補選手2名
2020年1月発表の世界ランキング日本人上位2名をJOC に推薦。
※上位1位の世界ランキングポイントが3名以上、若しくは2位の選手が2名以上重複した場合は、以下の順序で上位を決定する。

卓球世界ランキング

(1)ワールドツアー等の優勝回数を評価(〇内の数字は優先順位)
※2019 年1 月1 日~12 月31 日までの期間を評価

①世界選手権 ②ワールドカップ
③ワールドツアーグランドファイナル④ワールドツアープラチナ6 大会

(2)世界ランキング30 位以内(日本人選手、同一選手含む)に勝利した回数
(3)該当する選手間で最終決定戦を行う。(詳細は後日決定)

2.団体戦代表候補選手1名
上記1.の代表候補選手とダブルスが組め、団体戦でシングルス及びダブルスにて活躍
が期待できる選手1 名を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦。

3.混合ダブルス代表候補選手男女各1名
上記1.2.代表候補男女各 3 名の選手の中で、最高のペアリングと思われる混合ダブ
ルスペア1 組を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦。なお、日本は開催地枠として全種目のエントリーが保障されており、予選で出場資格を獲得する必要がない。従って、混合ダブルスベスト 4 に代表資格が発生する予定である。2019 年12 月ITTF ワールドツアーグランドファイナルについては、混合ダブルスの代表候補選手選出の対象大会としない。

※ベスト4 に入ったペアは、所属NF ならびに所属NOC が承認するまで代表ではなく、
所属NF と所属NOC に最終的な決定権があることはITTF と確認済みである。

4.リザーブ候補選手1名
日本がメダルを獲得するために必要なダブルス及びシングルスでの国際競争力を持ち合わせている者1 名を、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦。リザーブ選手の発表時期はJOC へのエントリー期限直前とする。

5.補足基準
代表候補選手及びリザーブ候補選手が故障等で大会参加が不能となった場合、その代替
候補選手は、強化本部が決定し理事会に報告及びJOC に推薦。


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吉村真晴は、2019年8月度の世界ランキング48位。現在の世界ランキング制度は、一部例外はあるものの、2019年の国際大会から成績が良かった8大会のポイントのみを採用するシステムだ(例外は2018世界卓球団体戦)。日本勢では張本智和(世界ランキング5位)がトップ、以下丹羽孝希(10位)、水谷隼(14位)、吉村和弘(43位)と続き、吉村真晴は日本人5番手に位置する。「Tリーグが開幕してから12月までが勝負」と位置づけている吉村真晴にとって、この期間の国際試合で如何にポイント加算できるのかが重要になる。

「来年1月には、セカンドシーズン琉球アスティ―ダに来て良かったなと1月に胸を張って言えるようにしたい」
吉村真晴の切実な思いは通ずるのか。

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「もう終わっても良いかなと心が折れていた」

吉村真晴が新天地として選んだ琉球アスティーダ。

「暑いですね。みなさん人柄が温かい。毎年、沖縄には何らかの形で行っているが、リゾート地というイメージが強い」

沖縄のイメージについて聞かれた吉村真晴は、このように答えた上で、チームについて語り始める。

「琉球は台湾の選手が多いが、チームとしての『熱さ』。勝って負けて『一喜一憂』。これをもっと共有したい。海外の選手も日本人選手の後輩に対しても『琉球アスティ―ダに入って良かった』と思ってもらいたい。このキャラクターなので、チームを盛り上げてみんなで勝つ為にどうするかを、毎試合ごとにディスカッションしながら、全力で試合に挑みたい。それが自分のレベルアップにもつながる」

吉村真晴がここまでチーム愛を強調する理由として、あの時のことに触れないわけにはいかない。

4月に行われた世界卓球。吉村真晴は当初、日本代表のメンバーに名を連ねていなかった。しかし、張本が右手薬指のけんしょう炎で混合ダブルスに出場しないことを発表し、その代わりに吉村真晴が召集された。2017年の世界選手権で石川佳純とペアを組んで金メダルを獲得した実績を買われて、この大会も石川とペアを組んで出場した。結果、決勝まで勝ち進んで銀メダルを獲得。世界の舞台で改めて実力を証明した。

その2か月後、吉村真晴はジャパンオープンに臨んでいた。ワールドツアープラチナ大会なので、オリンピック選考を占う意味で重要な大会。2回戦からの登場だったが、当時世界ランキング599位の孫聞(中国)にゲームカウント2-4と敗れた。敗戦が決まった瞬間、吉村真晴はボールを足で潰してしまったのだ。

「孫聞(中国)にジャパンオープンで敗れた時が一番つらかった。自分自身が情けなくなった瞬間だった。自分の人間力の低さ、我慢の無さ、もう終わっても良いかなと心が折れていた」と当時の心境を明かす。

「自分は卓球で生きていくしかない。卓球でやってしまったことは、卓球で返さないといけない。あの瞬間でオリンピックが遠のいたと本当に感じた。この試合で負けたら終わりだと思ってコートに立っていたので勝てると思っていた分、その悔しさが余計に出てしまった。情けないけど反省しなければならない。あの瞬間は、自分の気持ちを抑えられなかった」

「まあそんな時もあるよ。それだけ自分が命かけているのだから、自分で自分を追い込まない方が良いよ」と吉村真晴は、家族からも助言を受けていた。誰よりも側で見ている家族だから、つらさや努力を一番見ているからこその声掛けだろう。

暗闇から立ち直り、年内の国際大会で全てをかける吉村真晴。12月までの大会も重要だが、琉球アスティーダの選手としても活躍を期待したいし、セカンドシーズンの初戦が奇しくもT.T彩たまだ。

「なかなか難しい質問ですね」と苦笑いを浮かべながら、Tリーグ開幕に向けてこのようにコメントする。

「琉球アスティーダの選手として戦いは始まっている。古巣だからというのは関係ない。自分が持っているものを全て出し切って、チームの勝利に貢献できるように全力でプレーするだけだし、必ずそれが結果につながる。T.T彩たまには申し訳ないがしっかり勝ちたい」

吉村真晴はセカンドシーズン開幕を控える中で、チームとしても個人としても勝ちにこだわりを見せる姿勢を見せた。年内はTリーグ、ワールドツアーを通して世界ランキングを上げる事。そして、琉球をTリーグセカンドシーズン王者に導く事。吉村真晴にとって勝負のシーズンが幕を開けようとしている。

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