【Tリーグ】琉球が抜群のチームワークで初優勝、戸上隼輔がフォアサイドを攻められるもチキータで大島祐哉を攻略

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Tリーグ取材記事
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文 マンティー・チダ

 

Tリーグは26日、アリーナ立川立飛で男子プレーオフファイナルを行い、レギュラーシーズン2位通過の琉球アスティーダ(以下 琉球)が木下マイスター東京(以下 KM東京)をマッチカウント3-0で下して初優勝を遂げた。

 

琉球はKM東京にストレート勝ちだったが、すべてのマッチでフルゲームまで縺れ込む大激戦。

さらに、KM東京にはエースの張本智和が第4マッチに控えていたため、琉球は最初の3マッチを優勢に戦うことが求められていた。

 

第1マッチのダブルスはゲームカウント2-2からの第5ゲームで、木造勇人が相手のサーブに対して、フォアドライブを強烈に叩きこんだところから流れを掴んで勝利すると、第3マッチでは主将の吉村真晴が得意のサーブを駆使して、今年の全日本王者である及川瑞基を下した。

 

しかし、優勝の流れを作ったのはフォア側にボールを集められながらもチキータを振り切って大島祐哉との激闘を制した、第2マッチの戸上隼輔だった。

 

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戸上隼輔が大島祐哉からの執拗なフォアサイド攻めにもチキータで打開

 

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「体が勝手に緊張していた」

 

戸上は前日からプレーオフファイナルに向けて、緊張していた。眠りも浅く6時間ぐらい。

 

19才でありながら、これまで世界や国内において緊迫したシーンを経験していても、プロリーグファイナル前日の緊張感は特別だったようだ。

 

「大島さんとは練習で何度か対戦経験がありますけど、試合は中学校以来1度だけ。これまで大島さんの動画を見ていた立場でしたから」

 

これまで憧れの対象だった大島が、卓球台を挟んで反対側に立っている。

 

しかもファイナルの舞台。

 

これ以上ないシチュエーションで始まった試合は、戸上が得意のバックで得点を重ねれば、大島もラリーで応戦する展開からスタート。

 

第1ゲームは10-10のデュースに縺れ込むが、両者一歩も譲らない。14-14から、戸上がバックを2本連取して先制に成功する。

 

第2ゲームは一転して大島に出だしから得点を重ねられ、3-11と落としタイに持ち込まれた。

 

第3ゲームに入り、第2ゲームまで大島にフォアサイドへボールを集められていた戸上は、フォアサイドに移動してチキータから得点すると、フォアドライブやサーブが決まるなど4連続得点。

 

これでペースを掴めるかと思われたが、アンラッキーな展開から流れが大島に傾く。

 

大島にネットインでも動じずフォアドライブを決められるとラリー戦へ持ち込まれて、戸上は6-8と逆転を許した、その後だった。

 

大島のロングサーブに、戸上はチキータを打ちにいくが空振り。最後は接戦に持ち込むが、8-11でこのゲームを落とす結果となる。

 

後が無くなった戸上は第4ゲーム。大島と競った展開とするも、ロングサーブなどで常にフォアサイド側へボールを集められる。

 

本来ならチキータで打開したいが、第3ゲームの空振りが影響して強度も弱く決められない状況だった。

 

9‐8と詰められたところで、琉球ベンチはタイムアウトをコール。

 

ここで切り替えた戸上は、大島のロングサーブに対して、先程までとは別人のようなチキータを強烈に叩きこむ。

 

自信を取り戻した戸上は、最後フォアで得点して11-8とゲームカウントで再びタイに持ち込んだ。

 

最終の第5ゲーム、戸上はサーブから幸先よく先制すると、試合中盤に決まらなかったチキータが面白いように入っていく。

 

最後は大島のお株を奪うラリーで打ち勝って試合を決定づけた。

 

ゲームカウント3-2で戸上は大島を下す。

 

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チキータを振り切れ!

 

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勝利を決めた瞬間、戸上は両手をあげながらコートへ仰向けに倒れこんだ。

 

それだけ激戦だったことが伺える。

 

「(あの空振りから)大島のロングサーブが頭から離れなかった。自分の中で何も考えずにプレーしようと考えていたのですが」とチキータが打てなかった第3ゲームを戸上は振り返る。第3ゲームが終わって、ベンチからも「攻撃的に振り切れ」と声を掛けられていた。

 

しかし打開できないまま、第4ゲームも終盤を迎えて、琉球張一博監督はタイムアウトをコールする。

 

「チキータを思い切ってプレーさせないと勝てない」

 

そう考えた張監督は戸上に檄を飛ばしていた。

 

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戸上はバックが得意な選手で、バック対バックになれば優勢に試合を進められるが、試合を追うごとに大島からフォアサイドへボールを集められていた。

 

「フォア対フォアでは勝てるのかな、正直フォアには付かれたくなかった」

 

大島からフォアサイドを徹底的に付かれていた戸上だが、張監督の檄が効いたのか、相手のサーブが多少短くなっても台上からチキータを思い切って打ち込む。

 

これが功を奏し、最後は大島のお株を奪うラリー戦で勝利をもぎ取ったのだ。

 

「最初チームに来たときはどのように接すればよいのかわからなかった。でも、明るいしアドバイスも聞いてくれる。1年間成長してくれた。大島のロングサーブに対しては、プロだから対応をきちんとしないといけない。これができないと大島には勝てない」

 

張監督は戸上の成長を認めている。

 

だから、彼を信じてチキータを思い切って打たせる指示を出していたのだ。

 

こうして激戦を制してマッチカウント2-0とした琉球は、第3マッチで吉村真晴が及川を振り切って、張本に回すことなく試合を決めることができた。

 

「KM東京に3-0は難しい。攻撃的というよりバランスを重視した」と張監督はオーダーの意図を説明する。

 

吉村真晴は「チームの雰囲気は最高。誰が出ても勝てるチーム」と手応えを感じていた。

 

KM東京には、この日首痛で欠場した水谷隼、張本、及川と3人の全日本王者が所属する。

 

しかし、チーム戦となれば個人よりバランスが求められ、戸上が苦しみながらも激戦を制したからこそ、吉村真晴が主将としてしっかりチームを締めることができたのだ。

 

個人の力も必要だが、総合力で琉球がTリーグを制した。

 

これぞチーム戦の醍醐味だと認識させられたTリーグ男子プレーオフファイナルだったのではないだろうか。

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