イニエスタ、感動の引退セレモニー「この日が来るとは思わなかった」

イニエスタ、感動の引退セレモニー「この日が来るとは思わなかった」

元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(40)が5月8日、バルセロナ市内でキャリアの幕を下ろす引退セレモニーを開催した。スペイン各紙がこの日、感動に包まれた様子を大きく報じている。

20年以上にわたるプロサッカー選手としての道を歩み続けてきたイニエスタは、家族とともに会場に姿を見せた。バルセロナのジョアン・ラポルタ会長や新監督のハンジ・フリック、現役選手のガビ、ダニ・オルモ、アンス・ファティ、アラウホ、さらにはシャビ氏やピケ氏といった往年の仲間たちも出席し、彼の門出を祝った。

スピーチの冒頭、イニエスタは涙ながらに「今日この場に来てくださったすべての方々、そして来られなかった人たちにも心から感謝したい。この日が来るなんて、夢にも思っていなかった。感情が溢れてしまうことを許してほしい」と述べた。

さらに「近ごろ流した涙は、悲しみではなく誇りと感動の涙だった。サッカー選手になる夢を持っていたフエンテアルビージャ出身の少年が、その夢をかなえたんだ。どんな困難にもあきらめず、努力を重ねた。それが自分の人生の核であり、今日この瞬間に大きな誇りを感じている」と続けた。

バルセロナでの若き日々を振り返りながら、「ラ・マシアは僕の人生を永遠に変えた場所。価値観を磨く最高の環境だった。バルサに加入することは夢だったし、目の前の夢に向かって突き進むためにベストな場所を選んだ」と語った。

また、「マシアから見えたカンプ・ノウの姿や、シャビ、プジョル、グアルディオラ、リバウドらと同じチームでプレーできたことは、今でも信じられない」と当時の記憶を噛み締めるように述べた。

スペイン代表としての活躍にも触れ、「代表でプレーすることは、まったく別の世界。数千人の中から選ばれるということは本当に特別で、光栄なことだった。アラゴネス監督、デル・ボスケ監督、ロペテギ監督の支えと敬意に心から感謝している。2010年W杯の決勝ゴールは、僕一人のものではなく、チーム全員、サポーター、すべての人の魔法が起こした奇跡だった。そして、親友ハルケの存在も力になった」と熱く語った。

ヴィッセル神戸での5年間にも感謝の言葉を述べた。「2018年に日本行きを決断したとき、それはとても難しい選択だった。でも神戸で過ごした時間は素晴らしく、控えめなクラブと共にチームを築いていく経験ができたことに大きな誇りを感じている。家族にとっても最も美しい思い出になった。神戸と日本は、信じられないほど温かく迎えてくれ、第二の故郷のように感じさせてくれた」と振り返った。

最後に、今後の活動について「サッカーから離れることはない。今もいくつかのプロジェクトに取り組んでいて、クラブやアカデミーの運営を通じて学び、成長していく必要がある。すでにコーチングスクールにも通い始めており、これからの道も一歩ずつ積み上げていきたい」と語った。

Shun Yamamoto

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