広島カープ、CS進出の望み絶たれる ー 4位確定、新井監督「残り2試合、全力で戦いたい」
広島東洋カープは、クライマックスシリーズ(CS)進出をかけた重要な一戦で東京ヤクルトスワローズに敗れ、今シーズンの4位が確定した。試合後、新井貴浩監督は「まだ2試合残っている。シーズンが終わった後にしっかり振り返りたい。今日も多くのファンが応援に来てくれた。残り2試合、良い試合をお見せできるように頑張りたい」と悔しさをにじませながらも前を向いた。
勝負の試合、床田が序盤で崩れる
この試合は、ヤクルトの青木宣親選手の引退試合として特別な一日だった。一方の広島にとっても、CS進出の可能性をつなぐために絶対に負けられない一戦。しかし、先発の床田寛樹投手がわずか2回で5失点し、今季最短での降板を余儀なくされた。
初回に先制点を許した床田は、2回には2死からヤクルトの高橋投手、そして青木選手に連続安打を浴び、さらに4失点。チームは9回に2点差まで詰め寄ったものの、最後まで追いつくことはできなかった。これで広島は4連敗を喫し、CS進出の可能性が完全に消滅した。
9月の大失速、歴史に残る不名誉な記録に
今シーズン、広島は長らくセ・リーグの優勝争いを牽引してきた。前半戦は投手陣の安定感が際立ち、チーム防御率は驚異の2.16を記録。堅実な守備と投手力を生かした戦い方で勝ち星を積み重ね、8月1日には首位に浮上した。
しかし、9月に入るとチームは一気に崩れた。以前から課題だった得点力不足が解消されないまま、シーズン終盤に入ると投手陣の踏ん張りも限界に達し、守備の乱れが目立つ試合が増えていった。9月5日に首位から転落すると、その後わずか4勝20敗という大失速。シーズン終盤には防御率も4.30まで悪化し、チームの歯車が完全に狂ってしまった。
結果として、広島はプロ野球史上初めて「9月を首位で迎えながらBクラスでシーズンを終える」という不名誉な記録を残すこととなった。
選手たちの悔しさ、来季へ向けた決意
試合後、選手たちも悔しさを滲ませながらコメントを残した。
床田寛樹投手(今季最短2回で5失点)
「結果が全て。それだけです。自分の実力不足を痛感しました。また来年頑張ります。」
秋山翔吾選手(Bクラスに転落したことについて)
「監督の采配に選手が応えることができなかった。特に野手として、投手陣を助けられる試合が少なかったし、最後まで投手に頼りきりだった。まだまだやるべきことがたくさんあると感じています。」
新井監督の目指すチーム改革
就任2年目となる新井監督は、今シーズンの経験を糧に、来季へ向けたチーム作りを進めることになる。特に課題となったのは、シーズン後半での打線の失速と、投手陣への負担の大きさだった。安定した戦いを続けるためには、打撃力の強化と若手選手の成長が不可欠となる。
「この悔しさを忘れてはいけない。」監督の言葉通り、チームにとって今季のBクラス転落は大きな教訓となるはずだ。残された2試合、選手たちは最後まで戦い抜き、来季への希望を示せるかが注目される